脂肪幹細胞療法

☆脂肪幹細胞による治療

ここ数年、注目を集めている『幹細胞による再生医療』をご存知でしょうか。
ヒト由来の幹細胞を応用した治療は大きな効果、新たな可能性に期待が高まっています。
幹細胞には「多能性幹細胞」「体性幹細胞」があります。臨床応用がすすみ実用化されているのは体性幹細胞で、中でも「間葉系幹細胞」と呼ばれているものは少し特別な性質を備えています。
当院では、患者様ご自身の皮下脂肪から抽出、培養した間葉系幹細胞を用いた幹細胞治療を行っています。

幹細胞とは?

ヒトの体は一つの受精卵が細胞分裂を繰り返し、何百という種類、約37兆個もの細胞で構成されています。
各細胞はそれぞれの役割を担っており、骨なら骨、神経なら神経、皮膚なら皮膚へと分裂をくりかえします。ところが、複数の細胞に分化できる細胞、様々な組織や臓器に成長する素になるような細胞が存在します。これがいわゆる『幹細胞』です。
幹細胞は多種多様の細胞に分化する能力を持ち、加齢に伴い減少する体細胞を再び生み出して傷ついたり弱ったりしている細胞を補充、修復することができます。

治療について

『脂肪由来幹細胞』を身体に投与(移植)することで
「痛みや疾患の原因となっている臓器やダメージを受けた部位等をみつけて幹細胞が移動する」
「患部へたどりついた幹細胞の働きで炎症が抑えられたり、修復再生が促されて回復に向かう」
というメカニズムで治療効果に結びつくと考えられています。

幹細胞点滴のメリット|期待できる効果

  • 内臓機能の回復
  • 慢性疼痛の緩和
  • 免疫機能の向上
  • アンチエイジング
  • 皮膚疾患の症状緩和
患部の修復再生 慢性疼痛・認知機能改善・変形性関節炎・脳梗塞・脊髄 神経損傷・肝硬変・リウマチ・アトピー性皮膚炎・スポーツ外傷(靭帯・筋肉・関節)
美容効果 細胞レベルでの若返り(アンチエイジング)

内臓機能の回復

投与された幹細胞のホーミング効果(病変組織に集まる性質)、パラクライン効果(細胞が放出するサイトカインの周囲への作用)により、修復を促します。傷ついた臓器の炎症、脳梗塞、肺疾患、多発性硬化症などの自己免疫性疾患、糖尿病、肝硬変、虚血性心疾患、アルツハイマー病などの変形性脳神経疾患、脳卒中後の後遺症、脊髄損傷、慢性心臓病、慢性肝臓病、慢性肺疾患、肝障害、糖尿病、動脈硬化、変形性関節症、慢性疼痛、スポーツ外傷、更年期障害など様々な疾患・病状に対して、症状緩和や予防が期待できます。

慢性疼痛の緩和

慢性疼痛とは「病気の治療に必要とされる期間を超えても、痛みだけが残ること」を指します。
幹細胞点滴による抗炎症作用により、痛みの原因となる慢性炎症を抑え、末梢神経の傷害部位を修復することにより、浸潤受容性疼痛や神経障害性疼痛を緩和させる効果が期待できます。

免疫機能の向上

体内の細胞を活性化させることで、身体全体の免疫力の向上が期待できます。

アンチエイジング(美容効果|細胞レベルでの若返り)

加齢により衰えた肌細胞を修復することにより、お肌のしわ・しみの改善、美白効果、弾力性の向上が期待できます。

皮膚疾患の症状緩和

炎症により傷ついた肌細胞にアプローチすることで、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の症状緩和に効果が期待できます。

※ 当院では「慢性疼痛」を中心に治療を提供しております

安全性について

  1. 患者様ご自身の細胞から分離、培養される細胞を使用するため拒絶反応のリスクは極めて低い。
  2. 体表に近く、脂肪の豊富な位置から局所麻酔下で比較的安全に細胞が採取できる。
  3. 幹細胞の投与は静脈への点滴注入等で行われる。
上記を中心とした利点があり、患者さまの身体的負担は少ない治療法です

副作用について

  • 脂肪採取の際の麻酔アレルギー、
  • 採取後の皮下出血、内出血、筋肉痛、軽度の発熱
  • 幹細胞投与の際にアレルギー、投与部位の違和感、軽度の発熱
  • 幹細胞投与後に(きわめて稀ですが)血液凝固能異常、肺塞栓

治療の流れ

カウンセリング、事前検査、採取から投与までの流れ
先ずは再生医療についてのカウンセリングをご予約ください。
治療内容、期間の目安、ご費用なども詳しくご説明いたします。内容にご納得いただき治療に進む場合には、事前に感染症スクリーニング検査を受けていただきます。
❶ 患者さまの腹部、臀部等 皮下脂肪が豊富な部位から脂肪(5~10g程度)採取
❷ 間葉系幹細胞を分離
❸ 培養し細胞製剤(治療用)を製造
❹ 細胞製剤を経静脈的に点滴投与(または患部に直接投与)
★当院では経静脈的点滴投与にて実施(2024年現在)

幹細胞をもちいる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会でその治療の妥当性安全性医師体制細胞加工管理体制が厳しく審査されます。そこで適切と認められれば、厚生労働省に治療計画を提出することができ、はじめて治療を行うことが可能となります。
白金坂の上診療所は、正式なプロセスを踏み厚生労働省に第二種再生医療等提供計画を提出し、計画番号【第二種再生医療提供計画番号 NA8190009】を取得した医療施設です。

費用について

医師、スタッフまでお声かけください

Q&A よくあるご質問

Q. この治療が受けられないことはありますか?
A. 術前の血液検査にて感染症が発見された場合や、血液凝固能(血の固まりやすさ)に異常がある方は治療をお受けいただけません。
Q. 年齢制限はありますか?
A.  未成年の方はこの治療をお受けいただけません。
Q. 年齢により効果の差はありますか?
A. 幹細胞は年齢とともに減少していきます。細胞自体は若い方のほうが能力にたけていることはありますが、細胞を培養して数を増やし、相当数の幹細胞を身体に戻しますので細胞数が減っているご年齢の高い方のほうが実感いただきやすいと考えられます。
Q. 投与によるリスクはありますか?
A. ご自身の細胞を投与しますので拒絶反応はありません。しかし、若干の内出血や炎症症状が起きることはあります。大きなリスクはありません。
Q. 細胞を入れることで本当に効果がでますか?
A. 効果はご実感いただける方がほとんどですが、ご実感の程度は個人差があると思います。治療開始の前に担当医と相談して期待される効果などをご納得されたうえで治療を開始してください。
Q. 1回でも効果がありますか?
A. 1回の治療でも実感いただける方はおられます。しかし、1回ですべてが改善するとは限りません。目的や状態によりますが、複数回、計画的に行っている施設が多い現状です。
Q. デメリットは何ですか?
A. 保険適用に該当しない自費治療のため、費用が高額です。また、現状では客観的な効果判定の指標が定まっておらず、具体的な数値等での判断がしがたいです。

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